今日は早かったのか、と思いながら、部屋を出て階段を下りる。
父が帰宅したときに出迎えるなんて、何年ぶりだろうか。
階段を下りるのにも、足が短くなっているのか、股関節をフルに動かさないと上手く行かなかった。
──何年前の記憶なんだろう…もう10年以上前かなぁ?
明衣は玄関に降り立つと、父を出迎えようと前に出た。
「お帰りなさい、おと……」
しかし、そこで言葉を失った。
父の隣には、傷だらけの少年が立っていたのだ。
──………あれ…?
その時、頭の奥が痛くなったような気がした。
ズキンズキンと痛みが頭を殴り付けるように襲ってくる。
雨に濡れ、薄汚れた金髪を額に張りつけた少年と目が合う。
──…何処かで……
何処かで、見た、気がするのは───……



