部屋に戻ってからも、何と無くモヤ付いた気分は拭えない。
母と楡は親しかったということだろうか?
──でも、楡からも何も言ってこないし……
クッションに顔を埋め、明衣は不貞腐れたように考え込む。
まぁ良い、その内本人に聞くとしよう。
明衣はそのまま夢の世界へと旅立った。
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──……ザァァァ……
酷い雨だ。
自分はなぜか、部屋の窓から外を眺めている。
そして、その目線が低い。
──あっ、
そうか。 明衣ははっとした。
これはどうやら、過去の記憶のようだ。
その証拠に、学習机が部屋に設置されておらず、最近は所在すらも判らないぬいぐるみが溢れている。
──懐かしいな…
しみじみと部屋を眺めていると、玄関の方から物音がした。
「ただいまー! 誰か、手伝ってくれ」
父の声だ。



