──何だこの状況………
まるで犯罪者を尾行する警察のようだと、明衣は思った。
周りに注意を払いながら、彼らの会話を聞こうと試みたが、席が遠いためか、何を言っているのかさっぱり判らない。
そうこうしているうちにオレンジジュースが運ばれてきて、明衣は店員からそれを受け取りながらも、彼らの動きを見張った。
すると、中年の男が楡に対して大きめの茶封筒を差し出し、何やら真剣な面持ちで話し始めた。
楡はそれを受け取り、彼の話を聞きながら何やら考え込むように黙っている。
──何入ってんだろ、あれ……
明衣は茶封筒の中身を気にしながら、更に二人の様子を伺った。
楡が茶封筒の中身を封筒の隙間から覗くように見た後、何やら男に話し掛けた。
すると、男は困ったように両手を上げ、まるでお手上げだとでも言うように苦笑した。
──楡はどうやらあのオジサンに何か調べ物をしてもらってたみたいね……。だけど……いったい何を…?
明衣はジュースを飲み、普段使わない頭をのろのろと回転させた。



