帰り際、コンビニに寄ってお菓子でも買おうかと思い、明衣は寄り道をすることにした。
真っ直ぐ帰らず、商店街を抜け、もよりのコンビニに寄ろうとした、その時だ。
「………あれ?」
目の前に、見たことのある金髪を見掛けた。
染めたものではないので、それは黒髪の群れの中でも一際目立つ。
そんな髪色をしている人物は、明衣の中では一人しか知らない。
──楡だ
煙草を吹かしながら、近くの喫茶店へと消える。
しかも、一人ではなかった。
隣には、黒いコートを羽織った中年の男が立っており、一緒に喫茶店へと入っていった。
──どうなってんの……?
明衣は気付かれないように、自然な素振りで彼らの後を追うように喫茶店へ入り、彼らに感付かれることなく、出来るだけ近い席に腰掛けた。
ちら、と二人を確認する。
こちらに気付いたような素振りは見せず、店員にコーヒーを頼んでいるようだった。
明衣はオレンジジュースを頼んで、彼らを暫らく観察することにした。



