気が付くと、演奏開始のブザーが鳴った。
MC担当のお姉さんのテンションが高く、少しだけ圧倒されてしまった。
ステージの上の美帆子と目が合った明衣は、微笑み掛けてみた。
すると、彼女は少しだけ緊張したように表情を固めていたが、やがてふにゃっと笑った。
「それでは一曲目に参りましょう!頼保高校の演奏で、『ディスコ・キッド』です!」
MCのお姉さんがそう言うと、歓声と共に拍手が溢れた。
ピッコロのソロから始まり、クラリネットが重なっていく。
吹奏楽には詳しくないメンバーだが、いつの間にか引き込まれていた。
コンクールでも予選を突破するだけの実力の持ち主の吹奏楽部の演奏は、誰でも夢中になれるくらい、レベルの高いものだった。
──楡先生にも、是非来てほしいな……
そう言いながら照れ臭そうに頬を赤らめた美帆子が浮かぶ。
明衣はただ切なげにため息を吐いた。



