a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜




「お帰り、沚兄ちゃん!」

「………………」


ドアを開けた時、笑顔で基が出迎えてきた。

楡は言葉を失い、茫然と立ち尽くす。

彼は家に帰ったのではなかったのか……?

不思議そうに立っている楡を見兼ねてか、基は楡のカバンを取り上げた。


「暫く此処に住まわしてよ。同情しくさったオバサンの所に居るより、アンタみたいな人と一緒に居たほうがマシ」

「……あぁ、そーなの…」


楡が口を開いて靴を脱ぎ始めれば、基は悪戯っぽく笑った。


「ちょっとどんなリアクションするか楽しみだったけど、アンタ余りリアクション上手くないね。それでも教師だろ?良いのかよそれで」

「クビになってないって事は良いんじゃないの」


そう答えながら、楡はネクタイを放り投げる。


──違う。


リアクションが出来なかったのは、それをする余裕が無かったからだった。

基の姿、言葉が過去に重なって、一瞬体の全機能が停止したような、そんな感覚に陥った。

激しく動揺した心を、いつものポーカーフェイスに押し込んだ。