a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



あからさまに不機嫌な顔をしながら、明衣は続ける。


「立ち番ならそれらしく挨拶とかしろよ」


「……オハヨーゴザイマス」


不満そうな明衣の言葉に、至ってやる気の無い声が返ってくる。

コイツ……と明衣は楡に聞こえない声で呟いた。

せっかく間に合うように来たのに、気分は最悪だった。


教室に入ると、案の定皆驚いたように明衣に挨拶してきた。

通常時間に登校しただけなのに、こうも驚かれるのはおそらく自分だけだろうと、明衣は思う。


「珍し!!何かあったの?」


「別にー。昨日桑島の説教逃げちゃったから、罪滅ぼし?」


美帆子が尋ねてきたので、明衣は半ば溜息を吐くように答える。


──昨日アイツにバカにされたし……


明衣は朝見たあの蝋人形のような、能面のような無表情が頭に浮かんできて、思わず眉を寄せていた。