a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



そこで、良祐が先輩の隣に座り直し、明衣と向き合う形になる。

こんなに立派なソファー、何処で手に入れたのだろう?

その前に、ここは何部? 

明衣の頭はこんがらがっていた。

それを察した先輩が、まずは口を開く。


「いきなりじゃ、わからないわよね?改めて自己紹介するわ。私は部長の本郷蘭『ホンゴウラン』。隣に居るのが、去年からうちの部員になった五月女良祐『サオトメリョウスケ』よ」


「よろしく!」


紹介の後に元気に挨拶をし、白い歯を覗かせて笑う五月女。

明衣もつられて笑う。


「此処が何部か知ってる?」


「……知らないです。(つーか入部するつもり無いんで)」


本郷の問いに困ったように答え、明衣は苦笑した。

すると、本郷はニコッという効果音がぴったりの笑顔を見せ、言った。


「良いのよ。この部活の存在は知らない人の方が多いわ。あなたがなぜ此処に来たのかも不思議なくらい」


「そう……なんですか……」


その笑顔が堪らなく美しかったので、明衣はらしく無いと思いながらも言葉に詰まった。