翌日、部室には大量の段ボールが無造作に積まれており、ドアを開けた瞬間の光景に一同は目を見張った。
「知り合いが手配してくれて。アンプとか全部揃ってるから」
その奧から楡が顔を出し、そう言った。メンバーは半ば引いているようだ。
「あー、そこら辺の段ボールはドラムセットだから。弦はあっち」
楡は高く積まれた巨大な段ボールを見てから、その隣にある段ボールを指差す。
明衣は恐る恐る開封。
「ギターだ………!」
いや、当たり前だし。
箱から取り出して梱包を取り外し、明衣はそれを舐めるように眺めた。弦を触ったり、ボディーを撫でたり。
「……すご……」
五月女も目をキラキラさせている。本郷は早速チューニングしている。
「さぁ、練習入るわよ!」
景気の良い声が響いた。



