a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



そして本郷は、ニヤリとニコリの間で微笑むと、申込書の表彰と書かれた部分を一瞥する。
五月女は何となく彼女の言いたいことが解ってしまい、苦笑するより他ない。



「勿論出るからには、優勝以外興味は無いわ。それから、城ヶ島さんに至っては、ベストボーカリスト賞を取るつもりでやってくれないと、私達も協力を見合わせるから」


いつに無く強引な彼女に、明衣は口をあんぐりと開け、突っ込む気を失せているようだ。五月女は予想内だとでも言うように、苦笑しながらお手上げの降参のポーズをした。



「いや、バンド出るのは構わないけど、俺はあれでしょ。裏方で良いでしょ。てか裏方でしょ」


「日本語判りますか?私さっき言いましたよね?先生が居ないとバントが成立しないんですよ。それとも何ですか?日本語勉強し直しますか?」



よほど出るのが嫌なのか、楡は早口でまくしたてるが、本郷が天使のような笑顔で毒を吐いた。楡はその一瞬でげっそりと嫌そうに眉を寄せた。