それを見た明衣は眼球を零しそうな勢いで見開き、城ヶ島に突っ込んだ。
「何言ってんのアンタァアァΣ!!カレンダー読める!?コンテストまで後何日だと思ってんの!?」
「1ヶ月です」
「知ってるよ!だから焦ってんだろーが、少しは状況考えろ!」
さも当たり前のように答える城ヶ島に、明衣は更に声を荒げる。城ヶ島は申し訳なさそうに俯いたが、譲る気はないらしかった。
俯いたその視線は、申込書に注がれている。
「まぁまぁ、明衣ちゃん。落ち着いて。私達はauc。何でも請け負う部活なのよ?」
本郷が諭すように言うが、明衣は口を尖らせ、腕組みをしながら鋭い眼差しで城ヶ島を見ている。
「あたしは無理!楽器なんか出来ないし、楽譜も読めないし」
「あ、申込書書いちゃったから」
「………は?」
明衣の話を割るように言ったのは、申込書片手に微笑む本郷。
そこには、参加者の所にしっかりとaucメンバーの名前と、城ヶ島の名前が有った。
「バカでしょォオ!」
明衣はついに眼球を飛び出させた。



