a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



これでも足の速さには自信がある明衣。

帰ろうと思ったが、生憎逃げた方向は玄関とは逆方向で、階段を駆け降りて奥に逃げると、すっかり薄暗い廊下に来ていた。

蛍光灯はチカチカと点滅を繰り返し、こんな古い場所が有ったかと明衣は首を傾げる。

取り敢えず、ドタドタと足音が聞こえたので、近くの教室に隠れることにした。

手前のドアに手を掛ける。

立て付けも悪くないのか、するっとそれは開き、明衣は素早く教室に入った。


つん、と鼻を突く煙草の匂い。

使われていなさそうな割に、掃除は行われているのか、埃っぽさはない。


まさか、不良の溜り場に来てしまったかと、恐る恐る振り向こうとしたその時。


「あ!ご依頼ですか!!?」


「……へ?」


やけに明るい声が、背後から飛んできた。