時刻が9時を回った頃



直美の情報通りサイドボールに雫達が現れた



見るからにガラの悪い連中を引き連れ堂々と正面入口に向かう



その姿を影から見つめる一人の女



それは…



好江だった



絢香と別れた後、好江は一人でサイドボールに向かっていたのだ



なんの後ろ盾もなく…たった一人で…



無謀なのは解っていた


絢香と一緒なら少しは違ったかもしれない…


それでも女が二人…


たかが知れている



好江はこれ以上、絢香に迷惑を掛けたくなかったのだ




………