まだ暗がりな夜道を一人で歩き続けた どこに向かうでもなくひたすらと… 一歩一歩、歩くたびに体に痛みが走る その痛みが現実だと教えてくる ブブッブブッ 携帯のバイブが鳴った いや…ずっと鳴り続けていた あの悪夢のような時間の最中も途切れる事なくなっていた 誰からかは解っている 玲子は歩き続けて7回目くらいの着信を取った 『…はい』 (玲子!今どこ?大丈夫なの?) 好江が電話越しに叫ぶ その声が痛いほど胸に突き刺さった ………