「秀でっす♪」



きた………。

まぁ、いいけどね。

人形には関係ないことだしね。



普通に振る舞っていればいいんだよ、普通に。

私はロックを解いた。


そして、扉の前に立って、秀様(一応この家の人だしね)の帰りを待った。


しばらくすると、扉が開いた。


「お帰りなさいませ。」


私は持ち前の営業スマイルを見せる。

しかし、そこには秀様なる人はいなかった。

その代わりに………。


「………。犬?」


私の……………

大っきらいなものがそこにあった。

前の家にいたとき、両親だった人たちは犬を飼ってた。
その犬に私は噛まれて左足に今でも残る傷が出来た。


「い………いやあぁぁぁああぁ!!!」


私は頭を抱えてうずくまった。

噛まれる噛まれる噛まれる…………っ!!!


婦人がどうしたものかと降りてきた。


「奈美さんっ?  犬っ!!あっちへお行き!奈美さん大丈夫ですの?」


婦人は私の頭を撫でる。

すると、扉の向こうからひょこっと青年が顔を出した。