「お母さん…あたし…ちょっと外の空気吸ってくる…少しだけ…行ってきてもいいかな…?」 「いいよ、行っておいで…お父さん、今、安定してるから… 行っておいで…」 「うん…」 あたしは、お父さんの手をソーと放して 布団の中に入れ 「いってくるね…すぐに戻ってくるから」と病室を後にした…。 病室の扉を開けると 廊下に置いてあるベンチで 下を向いていた先生が顔を上げて あたしに気づいて 立ち上がり 「藤井…大丈夫か?」と 優しく微笑んでくれた…