藤井の肩が、微かに震えていた… 少し……藤井に近づいた…… 藤井の肩に、手を少し、伸ばしてみた… もう少しで…触れそうな距離……… 「沙織!ここにいたの…………」という、後ろから聞こえてきた声… ギクッ! とっさに伸ばした手を引っ込めて 藤井から離れた! 「メグ…ちゃん…」 「斎藤…」 後ろを振り返り、斎藤の顔を見たら 「ごめんなさい…」と、ひとこと言うと、顔を引っ込めた… 「あ!斉藤!待て!」と言うと 罰が悪そうな顔で 「はい……」と顔を覗かせた。