「さようなら、先生。」

「おぉ~さようならまた来年な」

「はぁ~い」

みんなが教室を出て行く中

俺は…


「藤井」

「はい。」


「後で、悪いが美術室にちょっと来てもらっていいか?

ちょっと、見せたい絵があるんだ」

口から出任せとは、こういう事だな

藤井と話す為なら、なんだってするさ。

「はい、分かりました」

「じゃあ、後で、悪いな」

「いいえ、じゃあ、美術室で待っています」

「宜しく頼むな」


俺は、そう言い残し、教室を後にした。

その時



「先生。」


後ろから呼び止められた。


振り返ると、橘がニヤケタ顔で立っていた。