真希が店を出るついでに、あたしも帰る事にした。
「―――じゃあ、お母さんが迎えに来るって言ってたから、さなは先帰って?小言言われてる所見せたくないから」
かっこ悪いじゃん、と彼女は笑う。
なんだか申し訳なかったけど、あたしは自転車にまたがる。
「ホントごめんね。…じゃ、明日ね?」
「うん。頑張ろうね?帰り道気を付けて」
笑顔で見送られて、手を振りながら帰宅する。
真希が親友でよかった。
だって、本当に胸の閊えがとれたんだもん。
「ただいまぁ~」
「お帰り~♪早かったのね?」
「うん」
家に着くと、ご機嫌なお母さんが出迎えてくれた。
夜9時過ぎてて 早かったのね は無いだろと思う。ほんと、こういうとこは甘い親なんだから。
お、こういうときにお金をもらえばいいのか!
「お母さん、ちょっとお金を恵んでほしいんだけど…」
「…もう使っちゃったの?浪費家ねぇ。お父さんにおねだりしてみたら?」



