すっかり冷めてしまったオムライスを口に運ぶ。
すると、真希のケータイが鳴った。
「…もしもし?…うん。うん、だからさなとご飯食べてるんだってば。
はぁ?……はいはい、分かったから。
じゃあね」
「…どした?」
「ごめん、お母さんが早く帰ってこいってうるさくて。
悪いんだけど…帰らなきゃ」
申し訳なさそうにそう言われた。
「あたしこそごめん、無理やり誘ったのはあたしなんだから。
お母さんに誤っておいて?」
「…ごめん」
? 今真希は何で謝ったんだろ?
その時のあたしには
真希が何でこんなに傷ついている顔をしているのか、気づけなかった。
後で大変な事になってからその理由に気づく事になる。



