「…格好良すぎるよ、真希」
常識に捕らわれ過ぎていた。
小さい頃からずっと一緒で
おまけに6つも年下。
好きになったりしたら、どんなに大変で
どんなに非難の目を浴びせられるか
そればっかり考えちゃって…
結局あたしは自分が可愛いんだ。
傷つきたくない
棘(イバラ)の道を歩みたくない
…大和はあんなに素直なのに。
純粋な彼と比べると、自分がどんなに愚かで卑怯者なのかがすぐ分かるよ。
「素直に なりたい」
「うん…。怖がらないで。
大変かもしれないけど、きっと大和君が守ってくれるはず。
その辺、彼は多分さなよりも大人よ?」
「そうかも…ね。
あたし、大和に好きって伝えたい。
…でもその前に、和樹に返事しなきゃ」
「明日、言うの?」
「うん。気持ちの整理ができるまでって決めてたから」
「できるだけ普通に接してあげて。
和樹はそうはいかないかも知れないけど
今までみたいな関係を続けたいなら、さなが今まで通りの態度を見せないと、ね?」
「はい…」
「よし。…じゃあ食べよう!今日はおごってあげる!」



