真希は苦虫を潰した様な顔をして、言いにくそうにしながら話してくれた。
「1年の時に、ね。一人でいるところに安藤が突然来て
『キミ可愛いね』って声かけてきたんだ。
その時はまだ本性なんて知らなくて、かっこいい先輩が話しかけてきたってことに浮かれてた。
だけど、あいつなんて言ったと思う?『セフレにならない?』よ?
ホンッッッッと気持ち悪い!!!一発殴って逃げたけどね」
「ぶはっ!あはははは…!!!」
想像できて笑えてくる…!
「そんなに笑う事ないでしょ。今思い出しても鳥肌が…」
そう言う真希も顔がにやけている。
「なんだ。それならそうと早く言ってくれればよかったのに」
「だって、さながあんなに憧れてた先輩だよ?そんなに簡単に理想崩せないでしょ。
…ってか。あんた、なんでそんなに笑ってるの?さっきも”好きだった”って…。もう好きじゃないの?」
「あぁ…」
あたしは、あの雨の日の出来事を真希に話して聞かせた。
「うわぁ~…。当たってるとはいえ、かなりのナルだね。キモイ。災難だったね…。もしかしてファーストキスだった?」
「や…それは免れたけど…」
「…あれ?さなっていままで彼氏いなかったよね…?」
ぎく。
…真希に大和との事を話す時が来たのかもしれない。



