「いらっしゃいませ~」
「あの…待ち合わせしてて…」
店内をくまなく見渡すと、真希が手を振って合図をしている。
店員さんにあの席に行くと伝え、真希の向かい側へと座った。
「早かったね」
「うん、…お母さんに送ってもらったから」
「ホントごめんね、お母さん夕飯作ってたでしょ」
「大丈夫だよ、その分お父さんが食べるでしょ。
それより早く頼も?お腹減っちゃった」
「?うん…」
なんだろ…。なんか焦っているように見える。
でも、メニューを見ているうちにそんな疑問なんか忘れてしまうあたしの頭…。単純すぎる。
注文を済ませると、
「で?相談って何?」
と聞いてきた。
「うん。それより先に聞きたいんだけど…」
あたしは前から疑問に思っていた質問をすることにした。
「あたしが安藤さんを好きだったとき、どうして真希は反対してたの?」



