小悪魔男子





ベッドに寝転がりながら電話をかける。



相手は真希だ。




「あ、もしもし。真希ぃ、お金持ってる??」


『………は?カツアゲのつもり?』


「違う違う!あのね、うち今日親出掛けててさ、ご飯食べたいんだけどお金なくて…。

後で返すから奢ってくんない?相談したいこともあるし…」


『…利子は付けるよ』


チッ…!ケチめ!!


「それでいいからお願いします~」


『じゃあ7時にいつものファミレスに集合ね』








電話を切って、軽くメイクをなおす。


いつものファミレスって言うのは、真希とごはんを食べる時に必ずと言っていいほど利用する、二人の家のちょうど中間にある店なんだ。



お母さんたちには置手紙で出かける事を知らせる。


あの人たち、デートの日はケータイ電源切ってるからな~。




掛け時計を見ると6時半を指そうとしていた。



「さて…と、行こうかな」


戸締りを確認し、自転車にまたがる。



ふと隣を見て、リビングに灯りがともっていることを確認してから



力強く足を踏み込んだ。