小悪魔男子






雨が窓を叩き始めた。


その音がうるさ過ぎて 彼が椅子から立ち上がった事に気付かなかった。





「ホント、バカだよ…」




耳元でそう呟かれたと同時に伝わる温もり。



椅子越しに あたしは抱きしめられている。




「うん…ごめん…」




「本当に、僕が君とキス以上に進まなかった理由 分からないの…?」




その 怒っているような 悲しそうな声に



何も言う事が出来なかった。



それを大和は”分らない”のだと受け取ったらしく



少しの間をおいて 話し始めてくれた。






「僕が華耶としたのは 同情 からだったと思う。


彼女の求めるままに


何も分からない僕を半ば無理やりに近い形で押し倒してきたんだ。



その時の華耶は精神的に本当にヤバくて



拒んだら自殺さえしかねない状況だった」