しばらく歩いていくと、人の通った跡らしき道が出てきた。
それを辿っていくと
「これ…教会…だよね…?」
レンガの屋根の上に 白っぽい十字架が見える。
近寄ってみるが、誰も居そうな気配はなかった。
「これ見て」
入口に張り紙らしきものがあって、そこには消えかけた字で
『この度ここセントディア協会は新しい土地へと移転する事になりました。
ですが皆様の思い出と共に、この場所はこれからもあり続けます。
災害時にはどうぞこの場所をお使い下さい。
鍵は箱の中にあります』
最後に記されていた日付は5年も前の事だったが、
その文のとおり 入口のすぐ下に小さな箱があった。
「ちゃんとあるね。ちょっと休ませてもらおう」
大和はそう言うと、小さな鍵を取り出し、鍵穴へと差し込んだ。
誰かに悪用されることなく、こうして利用できるって事は
ここはこの辺りに住んで居た人たちの神聖な場所だったんだと思う。
中は少しかび臭かったけれど 汚いというわけではなく
どちらかと言うと、放置されていた割には老朽化は進んでおらず、綺麗に原形を留めている。



