「…虫が寄ってこないように、だよ」 それは蚊の事だけを指しているんじゃないけど。 「???夕飯までに帰ってくれば大丈夫だから。行こう」 「わっ」 手を握られてそのまま海に走り出す。 慌てて離したスプレーが背中の向こうで鈍い音を立てながら地面に落ちた。 「ほら、見て」 「うわ……綺麗…」 走り抜けたのは海へと続く小高い丘で 息を切らしながらたどり着いた頂(イタダキ)であたし達が見た物は ずっと向こうまで続いている青い海と 白い砂浜だった。