小悪魔男子





ガクッ。



効果音を付けるならそんな感じだろう。




声の主は、怒りに満ち溢れた表情を浮かべる真希だった。

勿論他の二人も一緒で


さらに安藤さんというオマケまで付いてきた。…いや、着いてきた。



空気を読めなかったわけでもあるまい。


すごくすごくいいタイミングで声をかけられた事に少し腹を立ててみる。




「何!?」



けれど、見られたかも という羞恥には勝てず、予定よりも小さな声でそう言ったことは気づかれなければいいんだけど。



「あんた、勝手に飛び出して…!あの後どれだけ大変な目に会ったか…」

「俺 が だろ?」



和樹の目が座っている…。


「あ…あたしだって押し寄せる波に揉みくちゃにされて大変だったの!!!」


腕を組んで和樹とにらみ合っているが、今の和樹の剣幕には流石の真希も敵わないらしい。



「えっとー…。話が見えないんだけど??」



なるべく刺激しないように聞いてみた(つもり)なんだけど



「こいつのくだらない約束 覚えてないとか言うなよ!!?」


「ひいぃぃぃ!!」



こいつ の所で薫ちゃんを指さす和樹。





約束…  何だっけ???