小悪魔男子




「行こう…」


”彼”が華耶さんの肩に両手を置いてエスコートする。



二人で会釈をして ゆっくりと丘を下っていく。




「―――――ねぇ。一つだけ、助言してあげる」



大きめの声で引きとめて。


華耶さんに教えてあげたいことがあるんだ。



「恋は大人だって難しい。…ううん。大人だからこそ、言いたいことが言えなくてより困難になるんだよね。


だけど、ね。



迷ったり 脇道にそれたって



誰かと一緒なら 正しい道に戻る事だって難しいことじゃない。




迷うなら 必ず2人一緒に ね?」




言い終えた後、受け売りだけどね と舌を出す。




…きっと、伝えたかったことは分かって貰えたはず。



何度も振り返りながら会釈をするお似合いの二人



その後ろ姿を見ながら


「お幸せに」




と呟いた。