小悪魔男子




大和の腕の中から少し離れて 呆然と立ち尽くす彼の目の前に歩み寄る。




「光君。ごめんなさい。


あたしは きっと


これからも大和しか目に入らないんだと思う。



年齢とか 世間体とか…



そんなものどうでも良くなるくらい、彼が好きなんだ。



大切なものを共有してきた友人であり 幼なじみであり



恋人だったんだ……。




今は少し距離を置いてしまったけど 気持ちだけは変わらない。変えられなかったの。



…光君には期待を持たせることをしてしまったかもしれない。


本当に…



ごめんね…」





自分の気持ちを再確認できたのは、光君のおかげでもあるんだよ…。



昨日、たった2通ほどのメールをやり取りしただけだったけど



やっぱりなんか違うって思った。




”こんな事をしてるよりも先に 大和に弁解しに行った方がいいんじゃないか”





楽しいはずのメールで あたしは理由を付けて大和の事ばかり考えていたから。