小悪魔男子





――――いつかの時みたいに

大和は傘を 光君の背中に突き当てていた。



「―――誰?」



驚く様子もなく


顔だけを大和の方に向けて光君は言う。



「あんたに関係ないと思うけど?

一番部外者だって、気付いてる?」


あぁ。



大和だ。



その笑顔



悪戯で 小悪魔な



そんな笑顔は、前と同じ大和だった。



「…そう絡んでくる小学生のキミは関係者だってワケ?」


「少なくとも、あんたよりは」



静かな会場。


二人の声だけが響いている。



「…俺は


さなさんが好きだ」



光君の言葉が、司会者のマイクによって拡張されて体育館全体に響いた。



ちょっとちょっと…!!

何言ってくれちゃってるわけ!?



あまりにいきなりで、恥ずかしさに目が回る。