「さなちゃんの純潔を奪う気か――――!!」
「和樹に奪われるくらいなら俺がしてやるーー!!!」
や、ちょっと。純潔って。
あたしだって一応イマドキの高校生ですよ?キスくらいはしてるし。
ってか、あたしにキスするって言った奴、誰だ!
「ノーノー!抗議は受け付けませ~ん。
キース キース!…」
煽る司会者 ざわつく会場。
もうどうしようかと頭を悩ませた時だった。
「和樹さんがしないなら、僕が奪っちゃいますよ?」
あたしの目の前に突然現れたのは 光君だった。
「え゛!?」
戸惑った瞬間 腰に回される彼の手。
その身のこなしは 流石に日本舞踊を踊っているだけあってしなやかだなー
なんて、状況を飲み込めてないあたしは呑気に考えちゃったりして…
「いいですか?さなさん…」
いや、良くないし!!
そう拒もうとしたときだった。
「待てよ」
光君の後ろから 聞きなれた
愛しい声が聞こえてきたんだ――――
「大和……?」



