「告えよ。じゃなきゃ、何も始まらない。
それがどんな結果になろうと 踏み出さなきゃ何も変わらないんだぞ」
「和…樹…」
あたしが和樹を振ったのに 一番傍で応援してくれていたのはやっぱり和樹だった。
それは最初から最後まで変わらない 心地い関係。
あたしが迷った時だって 自分の気持ちをそっちのけで相談に乗ってくれたりして。
本当にかけがえのない 友達。
「そうよ!!あんたが幸せになんなきゃ あたしだって幸せになれないんだからね!!」
…いつもあたしよりも先に泣いてくれたり 一番もっともな事を言っているのに
何故か雑に扱われるような存在の薫ちゃん。
初めて話したときには本当に扱いに困った事を思い出す。薫ちゃんもまた自分よりも先に相手の事を考えるタイプで。
それがどんなに損な事なのか 気づいてないんだと思う。
だけど 裏表がない性格にあたしが何度救われた事か。
「さなが笑ってないと あたしも笑えないよ…」
真希とは、色々あったね…。
入学式で見かけたときから 女ながらにその美しさに見とれてしまって。
絶対に友達になりたいって そう思っていた。
それが親友になって…何でも話せると。信頼し合っていると思っていたのに。
先生との事を相談してくれなかった事にあたしはまた被害妄想を抱いちゃったりして。
だけどそれは真希なりの気の使い方だったんだって知る事が出来た。
それからは本当に掛け替えのない親友になる事が出来て…
彼女にもまた あたしは救われた。



