「ところで、どなたが占いをご希望ですか?」


何だか上機嫌の安藤さん。うっすらと化粧をした顔を見ると、女と言ってもおかしくないくらい綺麗な顔立ちだと 今更思った。



「別に占いたくて入ったんじゃないんですけど…。なんか怪しい雰囲気だし」


蛍光灯には赤いセロファンが貼られていて


教室の中は赤く 暗いし


おまけに何かの剥製なんかが壁に掛かってるし。




占いと言うよりは



「黒魔術??」



薫ちゃんがおびえた声で呟いた。



「なーに言ってんの!大丈夫だって!!俺が占ってやるんだから文句は言わせないよー」



「いや…占うのが安藤さんって所が胡散臭さを倍増させてるって言うか…。


大体、そんな知識あるんですか?」



そう尋ねると、安藤さんは うーん… と考え込み




「あるわけないじゃん!

それに、占うのもクラスの奴がローテンションしてるし?」



と あっけらかんとした表情で答えてくれた…




「…じゃぁ、結構です。当たるか分んないのに…。そんな無駄金ないですから」



「えー。残念。じゃぁ、まった来ってね~ん♪」



この人



こんなキャラだったかしら?