「ただ―――――俺は……これが誰も傷つけなくて済む方法だと…
だから 苦しくても 諦めようと…」
言いながら
本当にそれが正しい選択なのか はたまた事態を深刻化させただけの誤った選択だったのか
考えてみるも答えが出ない。
それは いくら時間があったとしても答えなんて浮かぶ筈がなかった。
過去に戻ってやり直してみでもしなければ 過程や結果なんて分らない。
もしかしたら今よりも事態は悪化しているかもしれない。
それに和樹は選択の誤りを指摘しているんじゃなく
俺の「諦める」と言った覚悟を否定してくれてるんだ。
口で言って本当に諦められるような気持じゃない。
それを解らせてくれたんだな―――
「お前らの間に何があったのかも どんな関係だったのかも知らない。
ただ、あの遠藤先生が関わってる事だけは分る。
今までの事は後悔しても仕方ないんだぞ?
経験して分ったことだってあるだろ。
これからどう決着をつけるのかはお前次第だけど
二度とさなを傷つけるな」



