小悪魔男子




首元を擦りながら睨んでやった。



「わりぃわりぃ。でさぁー…」



「それで謝ってるつもり?」


全く。何でこいつが人気なのかが解りかねる。顔だけならまだしも、口を開けばこんなにバカ丸出しなのに…



「…俺が来たのは謝る為でも、愚痴を言うだけの為でもないんだよ。


お前に話があるんだってさ」



「は?」


誰か他に居るのかと思った。




だけど




「おらッ」


「!!!」


ガッッ!  …そんな音がしたと思う。



目の前が一瞬白く光って。



気づいたら地面に倒れていた。




「……俺のコブシがお前とお話ししたかったんだとよ」



「………ッてぇな…」



最悪だ。



油断してたとはいえ、こんな奴に簡単に殴られるなんて。



今までの…いや。きっとこれから先の人生でも一番の汚点になるだろう。