小悪魔男子




笑顔でその男を見るさなちゃん。


ダレ?


それは ダレなの?



「――――


あの、それで…メアドとか、教えて貰ったり出来ますか?」



…ムダな事だ。



さなちゃんが簡単にアドレスを教える筈無いだろ。


ほら、嫌がって―――………


「あたしは…いい…よ?」





なん………て 言った?



「本当ですかっ??ありがとうございますー!!
コレ、僕のメアドで…」



身体が動かないって 本当にあるんだ。



望んでいた訳じゃない。



だけど、ほんの少しだけなら さなちゃんが幸せになってもいいかな なんて。



独占欲の強い僕なりに思っていたけど



それが思ったよりも早くて



しかもこの目で見てしまうなんて。



想像すらしていなかった事なのに…。





不意に彼女と目があってしまった。



……良い機会だ。



きっとさなちゃんはあんなに酷い事をされて、もう僕の事なんて 好きじゃないんだ。


なら



僕ももう 諦めるよ。



どうせ二度と叶わない想いだ。


後悔なんてしない位に忘れてみせる。




その意味を込めて微笑んだ


それなのに



何でキミは泣きそうになってるの……?