思い立った所で、母親から『お土産買ってきて』と言われていた事を思い出す。
学校祭のお土産って、何があるんだ?
やっぱり食べ物?
思い付かないけど…買わないと騒ぐだろうし。
3階から見て回ろう。
2階は……止めようか。2年の居る階だから きっと会ってしまう。
そう思って3年の階に行ったのだけど
ジュースを売っている組
お化け屋敷の組
占い(当たったら逆に怖い)の組
メイド服貸し出しの組
だけで、持ち帰れる様な物は何一つ無かった…。
ってか、メイド服の組に引きずり込まれそうになったし。
あんなん、需要あるのか?
仕方なく1階に降りる。
この階にも無かったら大人しく帰ろう。
母さんには悪いけど…
そんな事を思いながら歩き、『和装喫茶店』で足を止めた。
持ち帰りとか、出来ないかな?
扉の前に貼ってあるメニューを見ていると
中から
「さなさんッ!!」
と、聞いた事のない呼び方と声で誰かが彼女の名を呼ぶのが聞こえた。
さな…ちゃん?
ふとそちらを見ると いつもの4人と、着物の男が居た。



