小悪魔男子




”長谷さん!すごい人気ですね!!”


「は…はぁ…」



”それでは一言お願いします!!”


「えっと…2年C組の劇、見に来て下さい♪」



しまった!!全然関係ないことを…!!



どっと沸きあがる体育館。恥ずかしい…。顔上げらんないよ…


”あはは…。緊張してるんですね~。

ありがとうございます!初々しい長谷さんでしたー!!”



俯いたまま男子の後ろに並ぶ。



だから人前は嫌なんだ!!



熱い顔を手のひらでパタパタと仰いでいると、前に居た男子があたしの方を振り向いた。



「さなちゃん。緊張したの?」


「えっ??」



顔を見ると 安藤さんが笑いながらあたしに話しかけている。



「人前、苦手?」


「はぁ…まあ」


何なんだ。からかいたいんだろうか?



そんなあたしの予想は見事に外れて。



「ところでさ、真希ちゃんって好きな人居るのかな?」






と、予想もつかなかった言葉をかけてきた。