「薫ちゃん、何の取引したの?」
真希が尋ねる。
薫ちゃんは胸を張りながら
「どっちかが優勝したら、和樹が実行委のファン達にキスしてあげる。って言ったのよ!!」
「はぁぁぁああ!?」
言うまでも無いが、叫んだのは和樹だ。
「だぁってぇ、コレが一番手っ取り早くて効果てきめんでしょう?」
悪びれた様子もなく、ひょうひょうと薫ちゃんは言ってのける。
「良かったね。これで出場出来るよ」
これは真希。
「良くねぇ!!
お前ら、俺の体売ったんだぞ!少しは反省しろ!!」
「あらやだ。売れるだけ有り難いと思いなさいよ!!全く…」
「薫~~!!」
あぁ。いつもの喧嘩に発展しそうだ。
だが、タイミング良く先程の女の子がニコニコしながら戻って来てくれた。
「OKです!
和樹さんの順番は一番最後に回してもらったので、急いで下さい。
女子の代表者はどなたですか?」
「あ、あたしです」
「…その服で?」
「ちょっと着替えるヒマが無くて。
着替えてもいいなら急いで制服に…」
「それが、申し訳ないのですが…
順番が2番目になっているので時間が無いんです。
それに、皆さん同じ様な格好をされてますよ?」



