小悪魔男子




真面目な顔でそんな台詞を…



困るわー。



「とにかく!まだ間に合う様にあたしが取り次いであげるから一緒に来なさい!」


薫ちゃんはそう言うと、強引にあたしと和樹の腕を引っ張って

壇上の脇に居る実行委の側まで連れて来られた。



その子は1年生の女の子で、和樹の顔を見ただけで顔を真っ赤にしている。


「ねぇねぇ。2年C組の代表者なんだけどぉ…」


「あ、あの…。何度も集合かけたんですけど…」


「だって劇してたんですもの。聞こえるはずないじゃない?」


「けど…先輩方がなんと言うか…」


あ~もぉ。


と、薫ちゃんが唸る。


やっぱりダメでしょ。


「じゃあ、取引しましょッ」


薫ちゃんが最後の切り札に出したのはとんでも無いことだった。


「もし、2人を出してくれて、どっちかが優勝したら…」



コソッと女の子の耳元で囁く。


「ぇ゛!!?? 本当ですかッ///???」


女の子は飛び上がる様にして喜んだ。


そして


「先輩方にお話ししてみるので、少しお待ち下さいッ!!」



と 走って行ってしまった。