「嫌だ!」
と目の前の色男は叫んだ。
「何でよ!?」
金が貰えると言うのに!!
金の亡者となったあたしは噛み付く様に説得するが
「一人は…ヤダよ」
男らしくない発言にげんなりする。
「2人で出なさいよ!優勝すれば6万よ!?」
「薫ちゃん、賞金、使いたいんじゃない?」
真希の冷静な判断に『そそそ…そんなわけないじゃないッ』と、分かりやすい反応を見せてくれた。
「…さなも出れば良いじゃん!」
「真希!あたしに恥じかかせたいの!?」
とんでも無いことを言い出すなっ!
「いや、マジで。
実際さなは同学年にも後輩にも人気あるんだよ?」
「…嘘だ!」
「いや、本当だから」
和樹までもが真希に同意し始めた。
「…前に言ったろ?
俺が側にいるせいで告白されなかっただけで
お前はかなり人気がある!!」



