「あ。ホントだ。…なんか夢中で気付かなかったみたい」
こんなの平気だ と笑う彼の表情に 陰のようなものを感じ取った。
何か あったのかな?
いつもは無邪気に笑う大和が、何だか寂しげに見える。
絆創膏を片付け様とする大和のTシャツを引っ張って
「やっぱり手当て、したげる」
と、あたしの向かい側に椅子を運び、座らせた。
「いいのに…。こんなのキズに入んないよ」
「…じゃー大和と同じ位の傷口だったあたしのケガは何だったワケ?」
「それは…
さなちゃんが、女の子だから」
「ははっ…。別にそんなの…」
「ダメだよ。…いつかはお嫁さんになるんだから」
―――"誰"の?
その気がないなら、そんな事言わないで欲しい。
「手当て、するね」
妙な雰囲気に 耐えられなかった。
傷口に直接消毒液をかける。すると…
「…痛いッ」
大和がビクッとした。
「え!?嘘っ。
ダイジョー…」
心配したあたしが顔を見上げた時
唇に 柔らかい物が 触れた。



