小悪魔男子






たっぷり時間をかけて、やっと保健室に着く。



保健医は不在の様だ。



「――絆創膏でいいよね?」


どこから見つけたのか、大和の手には既に消毒液と絆創膏が握られている。


そこに座って と椅子を指差してあたしを座らせてくれた。



「じゃあ…消毒するね」


「あっ!!ま…待って。痛そう…」


ビビるあたしを見て少し笑ってくれた。


情けない姿を晒しているのに、嬉しい。



「大丈夫だよ。シミない消毒液だから」



…不思議だ。


大和に "大丈夫" って言われるだけで、本当に大丈夫な気がしてくるよ。



こんな些細な事で、まだあたしの気持ちが彼にあることを実感させられる。



「…ね?痛くないでしょう?」


「うん…」


ケガは痛くないよ。



ただ…


心のキズはまだまだ完治は無理そうだけど ね。



「はい、終わり!」



満足そうに最後の絆創膏を貼って


大和は立ち上がったんだけど



「…ねぇ。膝、すりむいてるよ」


右膝だけ、あたしと同じ様な場所にすり傷が出来ていた。