逃げられない様に周りを囲まれて、着いた先は屋上へと続く階段の踊場だった。
「えーっと。何?」
精一杯の笑顔を浮かべようとするけど、顔が引きつって 口だけがだらしなくヒクヒクとつり上がるだけだった。
「あんた、和樹さんの何なワケ?」
ツインテールの可愛い女の子の口からそんな言葉が出るとは…
「何って、別に。腐れ縁ってだけ」
"あんた"と呼ばれた事に軽くイラッとしながら答える。
「何よそれ!本当は好きなんでしょ!?」
「は?」
妄想も度を過ぎれば狂気じみてる。
彼女達は "そう" だと信じ切っていて、何を言っても信じないだろう。
「劇だって!!フリとはいえ、キスしたじゃん!」
「…だったら、何なワケ?
多勢に無勢ってこの事だね。そんなに大人数で一人に詰め寄って何が楽しい?
コレで何か変わるの?
和樹の気持ちがあんた達に向くとでも?」
「!!…るっさいんだよ!!」
ドンッ――――……
視界が
薄汚れた天井に変わった。



