「うーん…。遠藤先生とは、本当に必要最小限の事しか話してないし…
大和とは、顔合わせても逸らされてるから何とも言えないなー…」
夏休み中、前半は落ち込んで外にもあまり出なかったけど
みんなが遊びに来たり、どこかに誘ってくれたおかげで
前よりも大和の事を考える時間が減った。
たまに見かけた華耶さんと大和のツーショットも
特に仲よさげって訳じゃなかったからあんまりショックじゃなかった。
ただ、彼の表情が暗いままだったのが気掛かりだけど…。
「…まぁ、イジワルされてないなら良かったわ。
何だかあの女も萎れた様に大人しくなっちゃって…。拍子抜けしたわよ!」
あたしと大和が別れた辺りから、華耶さんの表情にも活気と言うか…元気が無くなって
何かあったのか とみんなが噂するくらいなんだ。
「自分が言い出した劇なのに投げ出すなんて訳が分からないよな。
…そのせいで真希に集中攻撃くらってるんだぞ…」
壁に頭をくっつけながらそう訴える和樹の目が
切実に不満を訴えていた。



