小悪魔男子



「お医者さんに『精神科にも行って下さい』なんて言われて、何でそんな所に行かなくちゃならないのか…理解出来なくて。
過食症って病名を聞いても、自分がそうだなんて理解したくなくてね。


だけど、歯が当たってできる傷が痛むようになると

やっと自分のしてる事に罪悪感を抱くようになったの…。


それでもね


止められないの


自分がおかしいって気付いてるけど


太ってるのなんてもう嫌なのよ…ッ!!


助けてよ…


ねぇ、


大和…ッ!!」





華耶は



泣きながら僕にキスをした。




胃液の苦味を感じながら


"抵抗したら彼女が壊れちゃう。"


なんて考えてた。





初めてのキスも


童貞も



この日に全て失った。



セックスと言う行為がどういう物なのか


何も知らなかった僕だったけれど


彼女の望むままにされてグッタリとベッドに沈み込んだ後は


罪悪感と吐き気が襲って来たのだった。



でも


泣きながら謝る華耶を責めることだけは出来なかったんだ。