―――――――――
「さな。今日も学校行きたくない?
…終業式でしょ?」
「…ごめん…
華耶さんの顔、見たくないから…」
ドアの向こうのお母さんにそう告げて、また枕に顔を埋める。
大和とケンカみたいな事をしてから、2回目の朝が来た。
水曜日の今日は夏休み前の終業式で
休み中の課題も全部は貰っていないから本当は行かなきゃと思ってたんだけど
「こんな顔、誰にも見せらんないよ…」
ろくにご飯も食べず、学校もやすんで泣いてばかりいたせいで
まぶたが数ミリしか開かないような、悲惨な状態になっていた。
不細工さがアップしたって感じ…
特に華耶さんにだけは見せられない。
きっと彼女は今日もメイクをバッチリ決めているに違いない。
そんな完璧な彼女と比べられでもしたら…
「生きていけないだろうな、きっと」
そもそも、あたしと華耶さんには月とスッポンという言葉がよく似合う。
比べる方が間違っているのだ。
「大和は学校行ったのかな…」
彼も今日が終業式で、正午には家に帰ってくるはずだ。



