口から魂が出るくらいの勢いだったけど、何とかたどり着いた。しかもかなり飛ばしたおかげで普通に歩いて教室に入るくらいの時間はある。
流石に校門の前で降ろしてもらうのは恥ずかしかったから、少し手前のコンビニで止まってもらった。
「じゃあ、行ってきます…」
降りようとしたとき、「さな」と声をかけられた。
「何?」
「隣に…華耶ちゃんが越してきたみたいね?昨日晴美さんが連れてきてご挨拶をして行ったわ。もうさなとはあったって言ってたし」
…あぁ。晴美さんって大和のお母さんのことだったんだ。
変なとこで納得するあたし。
「大和の病院でね。しかも神楽先生の代わりに今日からうちのクラスの担任になるみたい」
「担任!?」
困ったような表情でお母さんは前を向いた。
「そう…。ちょっと厄介ね…」
「?何?華耶さんが担任だと何かあるの?」
まぁ、あたしも嫌なんだけど…。あまりに真剣な表情だったから尋ねてみた。



