「いらっしゃい」
現れた彼女は、たった一日でとてもやつれ、目は赤く腫れ上がっていた。
リビングに通され、少し硬めのソファーに腰を下ろす。
「…お母さまは?」
薫ちゃんが尋ねる。
「今、学校に行ってる。あたしの代わりに教師とPTAに質問攻めにあってるんじゃないかな…。
責めるならあたしに直接言えばいいのに」
「…真希、いつから神楽先生と付き合ってたの?」
真希はあたしのその質問に、ため息を吐きながら答えた。
「4月の終わりからだから…もう1ヶ月半位になるかな?
たまに皆と遊ぶのを早く切り上げたりしていたでしょ。それを考えると計算は合うはず」
「じゃあ、なんでもっと早く話してくれなかったの?あたし達、真希の様子が最近おかしいって気づいてたんだよ。けど、真希が話してくれるのをずっと待ってた。
無理やり聞き出しても意味がないって思ったから…。
でも真希は、こんな事になるまで何にも言ってくれなかった。
ねぇ…あたし達親友じゃなかったの!?
ずっと一緒に居るのに何でよッ!!??」
「さな…落ち着いて…」
薫ちゃんが興奮するあたしの肩を抱いてなだめようとしてくれている。
沈黙が続き、
しばらくして、やっと真希の口から出た言葉に、あたしはショックを受ける事になった。



